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福祉事業は平成7年度の地公災法改正により、名称が「福祉施設」から「福祉事業」に改められるとともに、被災職員及びその遺族の福祉に関して必要な事業と、公務上の災害を防止するために必要な事業の二本立てとなりました。
被災職員及びその遺族の福祉に関して必要な事業は、使用者としての法的義務として行われる補償によっては充足しきれない領域を、使用者の立場で、いわば補償の付加的給付として行うことにより被災職員及びその遺族の援護を図ろうとするものです。この福祉事業は、補償と違い基金として義務的なものではありませんが、一定の要件を備える者にはすべて等しく実施することとされています。
被災職員及びその遺族の福祉に関して必要な事業には、外科後処置、補装具、リハビリテーション、アフターケア、休業援護金、在宅介護を行う介護人の派遣、奨学援護金、就労保育援護金、傷病特別支給金、障害特別支給金、遺族特別支給金、障害特別援護金、遺族特別援護金、傷病特別給付金、障害特別給付金、遺族特別給付金等があります。
公務上の災害を防止するために必要な事業は、毎年全国で約3万件発生している公務災害について、具体的な発生事例に即して発生原因等を分析し、これに基づいて公務災害を防止する対策を講じようとするもので、公務上の災害の防止に関する活動を行う団体に対する援助、公務上の災害を防止する対策の調査研究、公務上の災害を防止する対策の普及及び推進の各事業があります。
これらの福祉事業の支給要件、内容及び申請手続き等は次のとおりです。
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(1)外科後処置 |
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障害等級に該当する程度の障害が存する者のうち、義肢装着のための断端部の再手術、醜状軽減のための処置、義眼の装かん、局部神経症状の軽減のための処置、筋電電動義手の装着訓練その他理事長が特に必要であると認める処置が必要であると認められる者に対して行われます。
なお、医療効果の期待される醜状軽減のための処置は、原則として療養補償として行われます。
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障害等級に該当する程度の障害が存する者に対して、義肢、装具、義眼、眼鏡、補聴器、人工こう頭、車いす、収尿器、歩行補助つえ、盲人安全つえ、点字器、その他基金が必要と認める補装具等を支給することとされており、その支給、修理又は再支給はその種目、型式、材質等の区分に応じ「補装具の種目、購入又は修理に要する費用の額の算定等に関する基準(平成18年厚生労働省告示第528号)」別表に定める額等の100分の104.8(消費税課税のものにあっては100分の108)に相当する額の範囲内で行います。
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障害等級に該当する程度の障害が存する者で社会復帰のために身体的機能の回復等の措置が必要と認められるものに対して行われます。
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治ゆした者のうち、外傷による脳の器質的損傷を受けた者、その他理事長が定める特定の傷病を有する者に対し、一定範囲の処置を行うことによって症状の安定を図り、円滑な社会生活を営ませようとするものです。
(ア)一酸化炭素中毒、減圧症、脳血管疾患又は有機溶剤中毒等(一酸化炭素中毒を除く。)に由来する脳の器質性障害を有する者で、障害等級に該当する程度の障害が存するもの(脳血管疾患又は有機溶剤中毒等(一酸化炭素中毒を除く。)に由来する脳の器質性障害を有する者で第10級以下の障害等級に該当する者にあっては、医学上特にアフターケアの必要が認められるものに限る。)
(イ)頭頸部外傷症候群、頸肩腕障害(上肢等に過度の負担のかかる業務によって、後頭部、頸部、肩甲帯、上肢、前腕、手及び指に発生した運動器の障害をいう。)又は腰痛を有する者で、障害等級に該当する程度の障害が存するもの
(ウ)せき髄を損傷した者のうち、障害等級に該当する程度の障害が存する者(第4級以下の等級に該当する者にあっては医学上特にアフターケアの必要が認められるものに限る。)
(エ)尿道狭さくを有する者又は尿路変向術を受けた者で障害等級に該当する程度の障害が存するもの
(オ)白内障等の眼疾患を有する者(障害等級に該当する程度の障害が存する者以外の者にあっては、医学上特にアフターケアの必要が認められるものに限る。)
(カ)慢性のウイルス肝炎となった者で障害等級に該当する程度の障害が存する者
(キ)慢性の化膿性骨髄炎となった者(障害等級に該当する程度の障害が存する者以外の者にあっては、医学上特にアフターケアの必要が認められるものに限る。)
(ク)振動障害を有する者で障害等級に該当する程度の障害が存するもの
(ケ)人工関節又は人工骨頭に置換した者で障害等級に該当する程度の障害が存するもの
(コ)大腿骨頸部を骨折し、又は股関節を脱臼し、若しくは脱臼骨折した者(障害等級に該当する程度の障害が存する者以外の者にあっては、医学上特にアフターケアの必要が認められるものに限る。)
(サ)心・血管疾患にり患した者又はペースメーカ若しくは除細動器を植え込んだ者で障害等級に該当する程度の障害が存するもの(心・血管疾患にり患した者で第10級以下の等級に該当する者にあっては医学上特にアフターケアの必要が認められるものに限る。)
(シ)尿路系腫瘍を有する者
(ス)熱傷の傷病者で障害等級に該当する程度の障害が存するもの(第14級の障害等級に該当する者にあっては、医学上特にアフターケアの必要が認められるものに限る。)
(セ)外傷により末梢神経を損傷して激しい疼痛を有する者で第12級以上の等級に該当する障害が存するもの
(ソ)精神疾患等にり患した者(医学上特にアフターケアの必要が認められたものに限る。)
(タ)心臓弁を損傷した者、心膜の病変を有する者若しくは人工弁に置換した者で障害等級に該当する程度の障害が存するもの又は人工血管に置換した者
(チ)呼吸機能障害を有する者で障害等級に該当する程度の障害が存するもの
(ツ)消化吸収障害、逆流性食道炎、ダンピング症候群、腸管癒着、排便機能障害若しくは膵機能障害を有する者又は消化器ストマを造設した者で障害等級に該当する程度の障害が存するもの
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休業補償を受ける者に対し、休業補償が支給される期間、1日につき、平均給与額の100分の20に相当する額が支給されます。
また、療養のため所定の勤務時間の全部にわたって勤務ができない場合において、支給される給与の額が平均給与額の100分の60以上で、かつ100分の80に満たない者に対しても支給されます。
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傷病補償年金又は障害等級第3級以上の障害補償年金の受給権者で、居宅において介護を受けているものに対し、基金の指定する在宅介護サービス事業者からホームヘルパー等を派遣し、必要な介護サービスを提供し、又は介護等の供与に必要な費用を支給します。
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傷病補償年金、障害補償年金(障害等級第1級から第3級に該当する者に限る。)又は遺族補償年金の受給権者のうち、在学者等である子と生計を同じくしている者等であって、当該年金たる補償に係る平均給与額が16,000円を超えない者に対して支給されます。 |
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傷病補償年金、障害補償年金(障害等級第1級から第3級に該当する者に限る。)又は遺族補償年金の受給権者で、未就学の子と生計を同じくしている者のうち自己の就労のため(傷病補償年金又は障害補償年金の受給権者で未就学の子と生計を同じくしている者のうち自己と生計を同じくしている者の就労のため)当該未就学の子を保育所等に預けている者等で、当該年金たる補償に係る平均給与額が16,000円を超えない者に対して支給されます。
支給額は、保育所等に預けられている者1人につき月額12,000円です。
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傷病補償年金の受給権者に対し、次に掲げる傷病等級に応じた額が支給されます。 |
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障害補償の受給権者に対し、次に掲げる障害等級に応じた額が支給されます。 |
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遺族補償年金又は遺族補償一時金の受給権者に対し、次に掲げる区分に応じた額が支給されます。
(ア)遺族補償年金の受給権者の場合300万円
(イ)遺族補償一時金の受給権者で
a 配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹の場合300万円
b 主として職員の収入によって、生計を維持していた者で
a) 職員の死亡当時18歳未満、若しくは55歳以上の3親等内の親族、又は第7級以上の等級の障害に該当する状態にある3親等内の親族の場合210万円
b) a)に掲げる者以外の場合120万円
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障害補償の受給権者に対し、次に掲げる障害等級に応じた額が支給されます。 |
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遺族補償の受給権者に対し、次に掲げる区分に応じた額が支給されます。
(ア)遺族補償年金の受給権者の場合
公務上の死亡の場合1,860万円
通勤による死亡の場合1,055万円
(イ)遺族補償一時金の受給権者で
a 配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹の場合
公務上の死亡の場合1,860万円
通勤による死亡の場合1,055万円
b 主として職員の収入によって生計を維持していた者で
a) 職員の死亡当時18歳未満、若しくは55歳以上の3親等内の親族又は第7級以上の等級の障害に該当する状態にある3親等内の親族の場合
公務上の死亡の場合1,302万円
通勤による死亡の場合740万円
b) a)に掲げる者以外の場合
公務上の死亡の場合744万円
通勤による死亡の場合420万円
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傷病補償年金の受給権者に対して、年金として支給されます。
支給額は、原則として傷病補償年金×20/ 100です。
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障害補償年金の受給権者に対し年金、障害補償一時金の受給権者に対し一時金として支給されます。
支給額は、原則として障害補償年金又は障害補償一時金×20/ 100です。
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遺族補償年金の受給権者に対し年金、遺族補償一時金の受給権者に対し一時金として支給されます。
支給額は、原則として遺族補償年金又は遺族補償一時金×20/ 100です。
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障害補償年金差額一時金を受ける権利を有することとなった遺族及び障害補償年金の受給権者のうち障害補償年金前払一時金の支給を受けた者が死亡した場合における遺族に対し、一時金として支給されます。
支給額は、原則として障害補償年金差額一時金に係る障害等級に応じ、地公災法附則第5条の2第1項の表の下欄に掲げる額×20/100です。
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次の(ア)から(ウ)の要件をすべて満たして死亡した者の一定の範囲の遺族のうち、被災職員の死亡の当時その収入によって生計を維持していた者であって生活に困窮していると認められる者に対し、100万円が支給されます。
(ア)死亡の当時次のa又はbのいずれかに該当する、傷病等級第1級である傷病補償年金の受給権者又は障害等級第1級である障害補償年金の受給権者であること
a せき髄その他神経系統の機能又は精神の著しい障害により、常に介護を要する者であること
b 胸腹部臓器の機能の著しい障害により、常に介護を要する者であること
(イ)(ア)の年金を受給すべき事由が生じた日の翌日から10年を経過した日以後に死亡した者であること
(ウ)その死亡の原因が遺族補償の対象とならないこと
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(19)公務上の災害の防止活動を行う団体に対する援助 |
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地方公務員の公務災害発生状況、発生原因等の調査及び分析、作業現場における作業内容、作業環境等の実態の調査研究及びその改善対策の策定、広報活動、研修会等を通じた公務災害を防止するための方策の普及その他の公務災害の防止に資する活動を行う団体に対して、基金が有する公務災害の発生状況等の情報の提供及び資金の助成等の援助を行います。
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公務災害に関する情報の収集、公務災害の発生状況、発生原因等の調査及び分析並びに公務災害防止対策の研究及び策定を行います。
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基金本部及び支部において、(20)の事業の成果を基に、地方公共団体に対し、公務災害防止対策を広報活動、研修会等により普及するとともに、公務災害防止対策のうち必要な事項について、地方公共団体における職場環境の改善等の公務災害防止対策の推進を行います。
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補装具、リハビリテーションを受けるために旅行する場合、鉄道賃、船賃、車賃及び宿泊料の実費が支給されます。
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補償について未支給の補償があると同様に、福祉事業についても未支給の福祉事業があります。
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<1> 外科後処置・補装具・リハビリテーション・アフターケアは、「福祉事業申請書」により申請してください。
<2> 休業援護金は、「休業補償請求書」を併用することになっています。
<3> 在宅介護を行う介護人の派遣は、「福祉事業申請書」により申請してください。
<4> 奨学援護金は、「福祉事業(奨学援護金)申請書」(記載例14参照)により申請してください。
<5> 就労保育援護金は、「福祉事業(就労保育援護金)申請書」(記載例15参照)により申請してください。
<6> 障害特別支給金・障害特別援護金・障害特別給付金は、「障害補償年金請求書」(記載例12参照)又は「障害補償一時金請求書」(記載例13参照)を併用することになっています。
<7> 遺族特別支給金・遺族特別援護金・遺族特別給付金は、「遺族補償年金請求書」又は「遺族補償一時金請求書」を併用することになっています。
<8> 傷病特別支給金・傷病特別給付金は、「傷病特別支給金・傷病特別給付金申請書」により申請してください。
<9> 長期家族介護者援護金は、「福祉事業申請書」により申請してください。
<10> 旅行費は、「福祉事業(旅行費)申請書」により申請してください。
<11> 未支給の福祉事業は、「未支給の補償請求書」を併用することになっています。 |
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