地方公務員災害補償制度(以下「災害補償制度」という。)は、地方公務員等が公務上の災害(負傷、疾病、障害又は死亡をいう。以下同じ。)又は通勤による災害を受けた場合に、その災害によって生じた損害を補償し、及び必要な福祉事業を行うことにより地方公務員等及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする制度です。
この災害補償制度の大きな特徴は、公務上の災害について使用者の無過失責任主義をとり、地方公共団体等に過失がなくても補償義務が発生するものとされることで、民法上の損害賠償が原則として過失主義をとっていることとこの点において異なるものです。また、通勤による災害についても、使用者としての責任を論ずることなく、使用者の支配下にない通勤途上の災害について補償が行われるという点で、民法上の損害賠償とは異なります。
さらに、この制度では一部に年金が採り入れられており、加えて、補償を超えた福祉事業をも行うこととされていて、被災職員及びその遺族の生活の安定と被災職員の社会復帰の促進を考慮した制度となっている点からも、賠償責任保険的な性格とは異なった制度となっていることが特色です。
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